久しぶりの学校で
春休みが終わり、新年度が始まりました。ののは久しぶりの学校。新しい先生と新しい教室。入ってしまえば、ののの教室。窓からの景色の多少の違いはあっても違和感はないのかもしれません。しかし、そこは今まで1年生が使っていた教室であり、自分の(タンポポ教室)教室はとなりだと思っているようです。
迎えにいったかあさんの話によれば、下校時のちょっとした時間。電動車椅子に乗ったののは何も言わず、自分の教室を出て、そのまま以前、自分の教室があった隣の教室をのぞきに行ったようです。そこには新1年生の教室であり、今までのたんぽぽ教室とは中もすっかり変わっています。次にのぞきに行ったのはその先の、旧2年生教室。ここにも自分の知っている友達の姿はありません。3年生に進級した友達は2階の教室に移りました。ここも今年度は1年生教室です。(2学級編成のため)
ののは自分の目でようやくその変化感じ取ることができました。自分で移動できないのの。思いを上手く伝えることができないのの。それでも、彼女の中に新しい学校の変化に気づき、確かめたいという強い欲求があったのだと思います。
私たちは思いを表現できないののに代わって、その思いをくみ取るよう努力します。しかし、それは本当に野々花の思いなのでしょうか。こんなに小くて、身体的にも知的にも大きな障がいを抱えている野々花が教室の違いを不思議に思い、友達や、自分のいた場所がどうなっていたかを気にしていると察することができたのでしょうか。
ひょっとすると、どうしてイワ先生はいないの?、教頭先生は?、???・・と声にならない疑問を持っているのかもしれませんね。
新しい担任の先生は大学を出たばかりの元気一杯の先生です。エネルギーとやる気に満ち溢れています。はじめての教職。はじめての特別支援教育。いろいろ思い悩むことも多いと思います。10のエネルギーが10になって帰ってこないのが障害児教育です。(あえて障害児教育と書きます)自分の指導が思ったとおりの効果がないなんてことはざらですから。そんなときこそちょっと立ち止まって、ゆっくりののと向き合って欲しいと思うのです。彼女の些細な行動の裏にある小さな思いに耳を傾けて欲しいと思うのです。
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